怪獣ブームは起きているのか?

「シン・ゴジラ」が興行的にブームを巻き起こしていた頃、多くの怪獣映画やゴジラ映画ファンたちは我が世の春を喜び、「シン・ゴジラ2」や「新作ガメラ」の製作を待ち望んでいたことと思う。

しかし少し時間が経ち冷静に考えてみると、本当に「ゴジラや怪獣ブーム」は起きているのか?社会はそう言うジャンルを心底歓迎しているのか?と言う疑問が湧いてくる。

ここ20年間くらいのゴジラや怪獣関連映画の成績を振り返ってみると、「シン・ゴジラ」以外は至って平凡‥と言うか、むしろ低調な成績に見える。

おそらく「シン・ゴジラ」は10年ぶりの国産ゴジラ+庵野人気+作品の完成度、時代背景などいくつかの要因が動員を爆発的に増やしたのではないかという気がするが、1998年の「GODZILLA /ゴジラ」も「初のハリウッドゴジラ」と言う期待度は高く洋画優勢(当時、ハリウッド大作は配収50億超えでヒット、100億超えで大ヒットなどと言われていた)の時代だっただけに、作品の出来がそれなりに良かったらもっと成績は伸びていたはず。

「GODZILLA /ゴジラ」(1998)50億(配収30億)

「キング・コング」(2005)23.5億

「パシフィック・リム」(2013)15.5億

「GODZILLA ゴジラ」(2014)32億

「シン・ゴジラ」(2016)82.5億

「キングコング:髑髏島の巨神」(2017)20億

「パシフィック・リム:アップライジング」(2018)9億

怪獣映画というよりスーパーヒーローものの「劇場版ウルトラマンシリーズ」や「アニメゴジラ 三部作」も10億を超えたことはなかったと思う。

もちろん今は二次市場や商品化収益が少なくないので、興行収入だけで作品のビジネス的成否は判断しにくく、子ども向け作品などはそれなりに二次収入があるので続いているのだとは思うが、日常ドラマなどと比べると予算がかかる特撮(VFX)映画でこうした成績は手放しで絶好調とは言いにくいのではないか?

特に過去、興行的に大成功したと言える作品が思い出せないガメラの新作をKADOKAWAが躊躇しているように見える背景には、そうした今の市場の雰囲気(怪獣ブームはさほど盛り上がっていない)が無関係ではないと思う。

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